ラップ自体が何かを捨てて生きてきた証拠

 働きまくれば自分の望みがすべて通るというなら、夜も眠らず、働きづめに働いて過労で死んでいっても、そんなこと恵まれすぎているくらい恵まれている。働いて過労で死ぬぐらいで、この人生を辛い思いをしないなら、必死で働いて死んでしまっても後悔はないだろう。少なくとも僕は、働いて働いて働きづめで休みなく働いて、ついに過労で路上で倒れてそのまま死んでも、すべての自分の望みを捨てなくてもいいなら、それは天国でさえある。
 ほとんどすべての人間は、生きてくる過程で社会的な何らかの圧力で自分の捨てきれない望みを血を流しながら捨ててきたのである。そうしたなかで明日への希望をつなげて生きてきた。そして生涯、血を流しながら生きつづけていくのである。それなのに、やりたい望みの仕事を得、夫を得、子供を得、大きな家を得て、それがあたりまえと思っている女など、世の中の苦労をしている人からみれば殺してやりたいくらい恵まれているのである。