現在の音楽すべてが生産制を求めている

 われわれは自己嫌悪におちいることもなく、開き直ることもなく、そういったものを自分自身が受け入れ、そのうえで生産的に自分が生きていくことを考えるべきであろう。自己嫌悪におちいったり、他人を責めたりすることでエネルギーを使い果たしてしまうならば、いつになってもこうした不愉快さから抜けきることはできないであろう。また、開き直ることにエネルギーを使ってしまっても、いつになっても日々の不愉快さから逃れることはできまい。そうしたことを受け入れたうえで、自分にとって関心のあるものを追い求めていくならば、いつかそうした不愉快さが消えていくのではなかろうか。
 自己嫌悪におちいっているときなど他人を徹底的に批判するが、同時に、ふとしたことから猛烈に尊敬する人などを見つけたりする。あの人は利己的でない人だ、というぐあいにである。しかし、利己的でないと思われる行動の奥にも、かなり利己的な部分がある場合が多い。