真剣 - 柳原鉄太郎 -

思うような成果があがらなかったり、いい智恵やアイデアが浮かばなかったりすると、お互いともすれば、じっくり取り組む暇がないとか、自分には能力がない、などという。

確かに、忙しい日々の中で時間をつくるのは難しいし、素質や才能に左右されることもあるかもしれない。だが一方で、能力に恵まれ、時間も十分にありながら、なかなかうまくいかないという人も少なくない。

この違いはどこから生じるのか。経験の差や育った環境、運・不運など、さまざまなことが影響しているのだろう。しかし、結局はやはり、真剣さの度合いによるのではないか。

本当に真剣なら、多忙の中でも徹底的に考え、何か糸口を見つけようとするはずである。そうすれば、必ず打開の道が見つかるし、子供たちのたわいない会話からも、風の音や流れる雲からも、何か新しいアイデアのヒントが得られるに違いない。あるいは、その姿に感じて、周りの人が進んで助言や協力をしてくれることだろう。

事がうまくいかないのを時間や能力のせいにする前に、どれだけ真剣に取り組み、考えぬいたかを今一度省みたい。

なぜこの成功の扉をたたかないのか?

世の中には、人を外見で判断する人がいます。しかし、人を外見だけで判断すると、あとで裏切られることが少なくありません。

このことは、何も人に限った話ではありません。ビジネスも同様です。

「あの家はダメだよ。今にも倒れそうなボロ家なんだ。行くだけ時間と労力のムダだよ」

せっかく、その家の前まで行きながら、勝手な判断をして、扉もたたかずに引き返してしまう人がいます。

自分勝手な判断は、正確な情報をつかむことの妨げになり、ビジネスチャンスを自らの手で挟めることになります。一つの自分勝手な判断が大きな損失になって返ってくるのです。

成功したいなら、自分がこのような判断を無意識に下していないか、今一度自らの胸に問いただして、自分勝手な判断はやめるべきです。

自分を燃やせ! - あなたがやらずに誰がやる!

「どうして俺がこんなことをやらされなきゃならないのか。俺がいったい何をしたっていうんだ。こんなひどい仕打ちをされるなんて…。やってられないよ」

与えられた仕事が気に入らないのか、腹を立てたりため息をついたり、仕事に向かう様子はありません。一方、となりで黙々と仕事をしている人はこう言います。

「これは僕の仕事です。他人がどう言おうが、この仕事をやり遂げることが僕の使命なんです。僕はこの仕事は自分にしかできないと思って頑張っているんです」

同じ仕事をやるにしても、考え方しだいでこうも違うのです。文句ばかり並べていても、何の前進もありません。大切なことは、与えられたその場その場で全力を尽くして自分の使命を果たすということなのです。この仕事は自分にしかできないんだと考えて、意欲を燃やして目の前の仕事に挑むことです。きっと、いい結果が得られるはずです。

甘くみるな!ちょっとの油断が”しっぺ返し”を招く

「今度の仕事は前の仕事に比べれば、楽なもんだよ。軽い軽い。まあ、任せておきなって」

与えられた仕事が彼には簡単そうに見え、自信たっぷりの表情です。ところが、何日たっても仕事はいっこうにできあがりません。そして、期限間近になった、途端に彼の表情は険しくなってしまったのです。

仕事を甘く見ると、このような痛い目にあいます。このような危険性は、大きな仕事よりもむしろ簡単そうにみえる仕事の中にあります。これは、仕事に取り組む際の姿勢の違いによるものです。

簡単そうに見える仕事の本当の危険性を十分認識し、真剣にその仕事に取り組んでいくことが必要です。仕事の内容にかかわらず、自ら立てたスケジュールに従って、その仕事をやり遂げるために全力を尽くしていけば、不意にしっぺ返しを受けることはないのです。

人生に”取りこぼし”は許されない!

人はいろいろなミスを犯します。その中の一つに、油断から生じるミスがあります。最初のうちは、この種のミスは起きません。なぜなら油断が生じるような余裕などないからです。

車の運転の場合、免許取たてより三ヶ月ぐらいたった時のほうが事故の危険があると言われています。ある程度慣れてくると、神経の張りもなくなり、運転も荒くなるというわけです。

ビジネスについても同様のことがいえます。「あんなミスを犯すはずがないのに」とか「どうして彼が…」というような声を耳にすることがあります。これらのミスはすべて慣れによる油断から生じるものです。気持ちのもちかた一つで防げるはずのミスなのです。

いかなる仕事であろうとも、決して軽くみてはなりません。何をやるにしても、常に初心者の気持ちを忘れずに、新たにチャレンジする気持ちで臨むことが大切です。

あなたの最高の財産 - それは”自分”を創りだす計画である!

皆さんは、今どんな計画をおもちですか。旅行の計画を立てている人もいるでしょうし、家族で食事に行く予定の人もいるでしょう。計画を立てるのは、重要なことです。

しかし、こういう人もいるのです。「この世の中は、どうせなるようにしかならんです。成り行きに任せることです。逆らってみても、苦しい思いをするだけですよ」

そして、こういう人に限って、自分には運がないとかツイてないとか嘆くのです。運がないわけでもなくツキがないわけでもないのです。ただ、すべて成り行きに任せてしまい、計画する努力、そしてその計画に従って実行する努力を怠っているだけの話です。

仕事でも遊びでも、何かをする際には、必ず計画を立て、それに基づいて行動することが必要です。成り行き任せでは、実りある人生を送れません。目標を達成すべく、まずしっかりした計画を立て、目標到達に向けて日々努力を重ねることで成果はあがるのです。