2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

原発政策提言 規制委の独善に注文がついた

民間の有識者らで作るエネルギー・原子力政策懇談会(会長・有馬朗人元文相)が安倍首相に緊急提言書を提出した。 政府に対し、安全が確認された原子力発電所を再稼働させ、責任ある原子力政策の再構築を求めた。「原子力から逃げず、正面から向き合う」よう…

ハーグ条約 子供の利益守る制度を築け

子供の利益が損なわれないよう、政府は適切な法制度と支援体制の整備に努める必要がある。 安倍首相は、国際結婚の破綻に伴う子供の連れ去りに対応する「ハーグ条約」への早期加盟を、日米首脳会談でオバマ大統領に約束した。 この条約には、欧米を中心に8…

補正予算成立 意義ある参院での1票差可決

衆参ねじれ国会の下でも、政府提出の案件が参院で可決できるという実績が現れた。 安倍首相が言うように「決められる政治への大きな第一歩」となるだろうか。 事業規模20兆円超に上る緊急経済対策を実施するための2012年度補正予算が、参院本会議で自…

イタリア総選挙 欧州危機の再燃を招かないか

財政再建路線に対するイタリア国民の強い不満が表れた結果だ。政局混乱で、欧州危機が再燃する恐れが出てきた。 モンティ政権の改革路線の是非を問う総選挙で、反緊縮派のベルルスコーニ前首相の中道右派連合が、事前の予想を上回る議席を獲得した。 下院で…

原発風評被害 放射能の基準から考え直せ

放射能の安全基準について政府は根底から考え直すべきだ。政権交代はその好機と言えよう。 消費者庁が、東京電力福島第一原子力発電所事故による風評被害の対策を強化する。森消費者相は、「民主党政権は消費者の不安を募らせた」と述べ、具体策の検討を指示…

民主党大会 新綱領で一致団結できるか

文字通り、崖っぷちからの再出発である。 民主党が定期党大会を開き、党の基本理念・目標を定める綱領や、政権運営・衆院選惨敗を総括する第1次報告を採択した。 海江田代表はあいさつで、「新しい綱領の下に一致団結しよう」と党の結束を呼びかけた。 綱領…

日米首脳会談 アジア安定へ同盟を強化せよ

◆TPP参加の国内調整が急務だ◆ 安倍首相に対する米政府の期待の大きさが鮮明になった。首相は政治、経済両面で「強い日本」を復活させ、その信頼に応えるべきだ。 安倍首相とオバマ米大統領がホワイトハウスで初会談し、日米同盟を強化することで合意した…

北方領土交渉 「仕切り直し」へ戦略練り直せ

日露首脳会談への地ならしという狙いは達成された。具体的に交渉をどう進めるか、安倍外交の戦略が問われよう。 森喜朗元首相が、ロシアのプーチン大統領とモスクワのクレムリンで会談した。 プーチン氏は、北方領土問題が障害となり、日露両国が平和条約を…

竹島の日 政務官の式典出席は妥当だ

領土問題に真剣に取り組む姿勢を示しつつ、韓国にも外交的に配慮した点で、バランスの取れた対応と言えよう。 政府が、島根県の主催する「竹島の日」記念式典に島尻安伊子内閣府政務官を派遣した。式典は8回目だが、政府代表の出席は初めてだ。その他、国会…

混合診療 適用拡大が患者の利益になる

先進的で効果のある治療であるなら、誰でも受けたい。患者の立場で、保険医療制度を改善していくべきだろう。 政府の規制改革会議が「混合診療」の適用範囲の拡大を検討課題に掲げた。 混合診療とは、公的医療保険で認められた検査や投薬とともに、保険が適…

3人死刑執行 凶悪犯罪の抑止につなげたい

3人の死刑囚に対する刑が21日、執行された。昨年12月に発足した安倍政権の下で、初めての執行である。 就任2か月で執行を命じた谷垣法相は、執行後の記者会見で「法の精神を無視するわけにはいかない」と述べた。死刑確定から6か月以内に刑を執行しな…

民主衆院選総括 自己批判を再建に生かせるか

まさに自己批判のオンパレードである。政党の公式文書としては異色だが、問題は、これを党再建にどう生かすかだ。 民主党は全国幹事長会議で、衆院選の惨敗や3年3か月余の政権運営を総括する「党改革創生案」を了承した。24日の党大会で正式決定する。 …

明石歩道橋事故 強制起訴の課題示す免訴判決

雑踏警備の監督責任者に刑罰を科すことを求めてきた遺族にとっては、厳しい結論だ。 2001年7月、花火大会の見物客11人が死亡した兵庫県明石市の歩道橋事故で、神戸地裁は、強制起訴された明石署元副署長に「免訴」を言い渡した。 裁判を打ち切り、元…

国会同意人事 事前報道ルール撤廃は当然だ

様々な混乱を招いてきた国会同意人事のルールがようやく見直された。国会は、日本銀行総裁など重要ポストを選任するための手続きを着実に進めなければならない。 政府の国会同意人事案が事前に報道された場合、原則として国会への提示を認めないとする「事前…

石炭火力発電 技術開発テコに活用続けたい

エネルギー資源を海外に依存している日本は、安価な電力を安定的に確保する必要がある。 東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、大半の原発が停止している。発電コストが安く、石油などより燃料の調達先が多様な石炭火力発電に改めて注目したい。 東電…

東通原発 規制委の評価は公正さを欠く

原子力発電所を再稼働させないことを前提とした評価ではないのか、と疑わざるを得ない。 青森県の東北電力東通原発敷地内の断層を調査していた原子力規制委員会の専門家チームが、「過去11万年以内に動いた活断層の可能性が高い」との評価報告書案をまとめ…

米航空大手合併 世界の空を競う新時代の到来

10年以上にわたる米航空業界の合従連衡に、大きな区切りがついた。米3強が、アジアなど世界の空を主導する新たな競争時代の到来だ。 航空世界4位のアメリカン航空と11位のUSエアウェイズが今秋に合併することで合意した。1位と2位だった米ユナイテ…

通貨安競争 対立の火種を残したG20声明

自国通貨の為替レートを安く誘導する「通貨安競争」を避けることで、日米欧の先進国と中国など新興国が一致した。 最近の円安に関し、日本が名指しの批判を回避できた点は評価できるが、対立が再燃する火種を残したと言えよう。 主要20か国・地域(G20…

学校週6日制 学力向上へ土曜を活用したい

子供たちの学力向上には、授業時間の確保が必要だ。土曜日の活用は有力な選択肢だろう。 文部科学省が、公立学校で実施されている「学校週5日制」を見直し、土曜日に授業を行う「学校週6日制」の導入に向けた検討を始めた。自民党が先の衆院選で政権公約に…

自賠責保険 合理化努力を値上げの前提に

ドライバーに負担増を求めるのなら、問題点を洗い出し、透明で合理的な制度に見直す取り組みが欠かせない。 自動車保有者に加入が義務付けられている自動車損害賠償責任(自賠責)保険の保険料が4月から平均13・5%引き上げられる。2011年度の11・…

桜宮高教諭免職 暴力許す風潮の一掃を急げ

教育現場から暴力を一掃する契機としたい。 大阪市立桜宮高校の男子生徒が、所属するバスケットボール部の顧問教諭から暴力を振るわれ自殺した問題で、市教育委員会が教諭を懲戒免職とした。 教諭が指導者としての適格性を著しく欠いているのは明らかだ。厳…

日本版NSC 「外交安保」強化へ縦割り排せ

日本の安全保障にかかわる様々な危機に対処するため、政府の司令塔を作る意義は大きい。 国家安全保障会議(日本版NSC)の創設を検討する政府の有識者会議が初会合を開いた。春にも報告書をまとめる。政府は、通常国会への関連法案の提出を目指す方針だ。…

PC遠隔操作 サイバー捜査の強化が急務だ

警察にとって、4人の誤認逮捕という消しがたい汚点を残した事件である。全容の徹底解明を求めたい。 パソコン遠隔操作事件が大きな進展を見せた。インターネット掲示板に殺人予告を書き込み、漫画イベントを妨害したとして、警視庁などの合同捜査本部は東京…

iPS研究 実用化を進める法制度が要る

iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った治療の実用化へ、意義ある第一歩となるだろう。 目の難病「加齢黄斑変性」をiPS細胞で治療する理化学研究所(神戸市)の臨床研究が、実施先の先端医療センター病院で承認された。 理研チームは厚生労働省に審査を…

レスリング落選 五輪のマットが遠くなった

東京都が招致を目指す2020年夏季五輪の実施競技から、レスリングが除外される可能性が大きくなった。 ロンドン五輪で吉田沙保里、伊調馨両選手が五輪3連覇を成し遂げるなど、日本がメダルを量産してきたお家芸だけに、残念な事態である。 国際オリンピ…

レスリング落選 五輪のマットが遠くなった

東京都が招致を目指す2020年夏季五輪の実施競技から、レスリングが除外される可能性が大きくなった。 ロンドン五輪で吉田沙保里、伊調馨両選手が五輪3連覇を成し遂げるなど、日本がメダルを量産してきたお家芸だけに、残念な事態である。 国際オリンピ…

iPS研究 実用化を進める法制度が要る

iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った治療の実用化へ、意義ある第一歩となるだろう。 目の難病「加齢黄斑変性」をiPS細胞で治療する理化学研究所(神戸市)の臨床研究が、実施先の先端医療センター病院で承認された。 理研チームは厚生労働省に審査を…

iPS研究 実用化を進める法制度が要る

iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った治療の実用化へ、意義ある第一歩となるだろう。 目の難病「加齢黄斑変性」をiPS細胞で治療する理化学研究所(神戸市)の臨床研究が、実施先の先端医療センター病院で承認された。 理研チームは厚生労働省に審査を…

レスリング落選 五輪のマットが遠くなった

東京都が招致を目指す2020年夏季五輪の実施競技から、レスリングが除外される可能性が大きくなった。 ロンドン五輪で吉田沙保里、伊調馨両選手が五輪3連覇を成し遂げるなど、日本がメダルを量産してきたお家芸だけに、残念な事態である。 国際オリンピ…

選挙制度改革―第三者機関にゆだねよ

自民党の腰の重さは目にあまる。昨年の衆院解散にあたって民主、公明両党と合意した、衆院の選挙制度改革をめぐる消極姿勢のことである。 「定数削減については、選挙制度の抜本的な見直しについて検討し、通常国会終了までに結論を得た上で法改正を行う」 …