2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

選挙制度論議 政治の安定へ衆参同時改革を

◆定数削減競争は大衆迎合だ 今国会会期末まで1か月を切ったのに、衆院選挙制度の抜本改革論議は行き詰まったままだ。 与野党に合意形成の機運がなく、実現はもはや困難な状況にある。 自民、公明両党が国会に提出した、衆院小選挙区定数の「0増5減」を実…

日印首脳会談 関係発展の柱となる原発協力

日印両国が一層関係を深めていくための重要な柱となろう。 安倍首相が、来日中のインドのシン首相と会談し、日印原子力協定の締結交渉再開で合意した。 年内妥結を目指す方針で、締結すれば、日本から原子力関連技術が輸出できるようになる。 交渉は、民主党…

成年被後見人 選挙権の迅速な回復は当然だ

精神疾患や知的障害で成年後見人を付けた人に選挙権を認める改正公職選挙法が成立した。 7月の参院選から、約13万6000人に投票の道が開かれることになった。多くの人が投票所に足を運び、1票を投じてほしい。 公選法は、判断能力に欠けるといった理…

南海トラフ地震 被害を減じる法整備が急務だ

死者が最大32万人と予想される「南海トラフ巨大地震」の被害をいかに抑えるか。対策を急がねばならない。 政府の中央防災会議の作業部会が、この巨大地震の「減災」対策を列挙した最終報告書をまとめた。 想定震源域の南海トラフは、静岡県沖から四国、九…

小学校の英語 楽しく学べる環境を整えたい

日本の国際競争力を高める上で、豊かな語学力と幅広い視野を備えた人材が求められている。政府は教育環境の整備を進めるべきだ。 安倍首相直属の教育再生実行会議が、海外で活躍できる人材の育成に向け、小学校から大学に至るまで、英語教育の拡充が必要だと…

波乱含みの株価 ひるまずアベノミクスを前に

安倍首相の進める経済政策「アベノミクス」を好感し、急上昇してきた株価が、一転して波乱含みになってきた。 マーケットの日々の変動に、一喜一憂すべきではない。政府と日銀は、アベノミクスを着実に推進し、明るさを増してきた景気の本格的な回復を急ぐべ…

放射能漏れ事故 安全意識を欠く研究者の対応

研究者の安全意識の薄さが気になる。 茨城県東海村にある素粒子研究の拠点施設「J―PARC」で、実験中に放射性物質が施設内外に漏れ、研究者約30人が被曝する事故が起きた。 漏れた放射性物質の量はわずかで、被曝量も、健康への影響は考えられない低水…

ミャンマー訪問 経済支援で日本の存在感を

民主化と経済改革を進めるミャンマーに対し、日本が大型支援を表明した。アジアの新市場を開拓する布石でもある。 安倍首相がミャンマーを訪問し、テイン・セイン大統領と会談した。日本の首相としては、1977年の福田首相以来36年ぶりの歴史的訪問だ。…

行政不服審査 公平性の確保へ法改正を急げ

納得できない行政処分に見直しを求めるのは国民の権利である。その権利を迅速で簡便に救済する制度を、より使いやすくする一歩としたい。 政府が行政不服審査法の見直し作業を開始した。1962年の法制定以来初の抜本改正で、来年の国会への改正案提出を目…

TPP交渉 攻守にらんだ戦略で巻き返せ

出遅れていた日本が、いよいよ約2か月後に環太平洋経済連携協定(TPP)交渉のテーブルに着く見通しになった。 政府は、交渉体制を強化し、アジア・太平洋地域での新たな貿易ルール作りで巻き返しを図ることが求められよう。 米国など11か国がペルーで…

新型ロケット 国際価格競争に勝てる開発を

世界で活気づく新型ロケット開発に日本も後れを取ってはならない。 国の宇宙政策を決める内閣府宇宙政策委員会の専門部会が、次世代の大型ロケット開発を来年度から本格化させる方針をまとめた。 目標は、低コストで使いやすいロケットを開発することだ。 現…

共通番号法成立 公正な社会保障へ大きな一歩

◆情報漏えい対策に万全を期せ◆ 公正で効率的な課税や社会保障給付を行う重要な基盤が、ようやく整うことになった。 国民に周知徹底し、利便性の向上に役立てることが肝要だ。 全国民に番号を割り振る共通番号制度関連法(マイナンバー法)が参院本会議で、自…

日本版NSC 情報収集・分析力も強化せよ

政府の安全保障会議の形骸化が指摘されて久しい。 外交・安保政策を実質的に議論し、主導する司令塔づくりを急がなければならない。 政府が国家安全保障会議(日本版NSC)設置法案の素案を明らかにした。首相と官房長官、外相、防衛相の3閣僚による会合…

日航支援検証 公正な競争を保つ指針作りを

公的資金の投入で企業の再生が成功しても、公正な競争をゆがめる副作用は放置できない。 「支援」と「競争」を両立させるルールが必要だ。 国土交通省の有識者委員会は、2010年1月に経営破綻した日本航空への公的支援を検証する報告書をまとめた。 国内…

維新VSみんな 改憲論議が失速しては困る

夏の参院選の構図が変わりつつある。 みんなの党が、日本維新の会との選挙協力解消を決めた。みんなの党の渡辺代表は、「基本的な価値観の相違がある以上、関係の全面的な見直しを行わざるを得ない」とその理由を語った。 維新の会の橋下共同代表によるいわ…

中国潜水艦潜航 海自の警戒能力向上が急務だ

国際法違反ではないものの、いたずらに軍事的緊張を高める行動だ。中国に自制を求めたい。 中国海軍所属とみられる潜水艦が南西諸島の接続水域内を海中に潜ったまま航行していた事案が今月、相次いで発生した。 2日に鹿児島県・奄美大島沖で、12〜13日…

女性の幹部登用 「なでしこ銘柄」増やしたい

安倍首相は、成長戦略の柱の一つに「女性の活躍」を掲げている。女性の能力をもっと生かし、経済の活性化を図るのが狙いだ。 首相は、その具体策として、全上場企業が女性の役員を最低1人は登用するよう経団連などに協力を求めた。女性の経営参画が、会社の…

暴力団追放訴訟 住民の勇気と安全守ってこそ

暴力団追放運動の新たな手段を有効に機能させることが肝要だ。 都道府県の暴力追放運動推進センターが、住民に代わって組事務所の使用差し止めを求める代理訴訟制度で、神奈川、福岡のセンターが今春、国家公安委員会の認定を受けた。 両県のセンターは訴訟…

シェールガス 米国産輸入で高値買い是正を

「シェールガス革命」に沸いている米国が、割安な天然ガスの日本向け輸出に道を開く。 東京電力福島第一原子力発電所の事故後、ほとんどの原発が停止し、火力発電に依存する日本にとって、調達先を多様化する重要な一歩である。 米エネルギー省は、中部電力…

東大の推薦入試 多様な人材発掘につながるか

「受験秀才」ではない有能な人材発掘につながるだろうか。 東京大学が2016年度入試から、推薦入試を導入する。独自の筆記テストを行わない入試は初めてだ。従来の選抜方法では見いだせなかった多様な学生を確保する狙いがある。 入学定員の3%にあたる…

飯島氏の訪朝 「拉致」解決へ糸口つかめるか

膠着状態に陥った日本人拉致問題を打開する糸口はつかめるのか。安倍政権の外交戦略の実効性が問われよう。 14日から17日まで北朝鮮を訪れた飯島勲内閣官房参与が帰国し、菅官房長官に、「本音の話をしてきた」と報告した。 飯島氏は北朝鮮で、序列2位…

火山災害対策 大噴火へ十分な備えが必要だ

火山噴火への危機感が薄れていないか。 内閣府の有識者会議がそう警告し、政府などに火山対策の整備を促す提言をまとめた。 東日本大震災の後、地震や津波対策が注目されているが、有識者会議の提言は、火山にも十分な警戒が必要だと強調している。 もっとも…

北極海の開発 資源や航路で戦略的関与を

商業、軍事利用の潜在的な可能性が高い北極海を巡り、各国の利害が交錯し始めた。日本もオールジャパンで国家戦略を練るべきである。 米露両国や北欧諸国などによる「北極評議会」が2年ぶりの閣僚会議をスウェーデンで開き、日本や中国、韓国など6か国のオ…

いじめ対策法案 社会全体で取り組む契機に

いじめは許されないという共通認識の下、社会を挙げて対策に取り組む契機としたい。 自民、公明両党が、いじめ防止対策推進法案を国会に提出した。民主、生活、社民の野党3党も既に、同趣旨の法案を出している。 与野党案とも、いじめの早期発見や問題解決…

農業の成長戦略 「所得倍増」へ農地集積を急げ

一層の市場開放に備えて、日本農業をどう再生するか。小規模農家から生産性の高い大規模営農へ、転換を促す施策の実効性が問われよう。 安倍首相は、成長戦略第2弾の柱として「攻めの農業」の実現を打ち出した。「農業の構造改革を今度こそ確実にやり遂げる…

敵基地攻撃能力 日米連携前提に保有の検討を

日米同盟の抑止力を強化する方向で、自衛隊と米軍の役割分担を見直すことが肝要である。 自民党が、年末に策定する予定の政府の新たな防衛大綱に関する提言案をまとめた。 自衛のために相手国のミサイル基地などを攻撃する「敵基地攻撃能力」の保持について…

GDP高成長 「異次元の回復」とは気が早い

安倍内閣の進める経済政策「アベノミクス」を好感した円安や株価上昇の追い風を受け、景気の持ち直しが一段と鮮明になってきた。 本格的な景気回復へ、政府と日銀は政策のかじ取りに万全を期さなければならない。 今年1〜3月期の実質国内総生産(GDP)…

「もんじゅ」 安全意識の抜本改革が必要だ

事実上の「運転禁止」となる深刻な事態だ。 福井県にある高速増殖炉「もんじゅ」に対し、原子力規制委員会が、運転再開に向けた作業の停止を命じることを決めた。あまりに点検がずさんだったためだ。 今年1月、「もんじゅ」を運営する日本原子力研究開発機…

敦賀原発 「活断層」との結論は拙速だ

科学的に十分根拠のある結論と言えるのか。極めて疑問である。 福井県にある日本原子力発電敦賀原子力発電所2号機の真下を通る断層について、原子力規制委員会の専門家チームが15日、活断層だと断定する報告書をまとめた。 活断層の真上に原発の重要施設…

橋下氏発言 女性の尊厳踏みにじる不見識

公人としての見識と品位が問われる発言だ。 日本維新の会の橋下共同代表が、いわゆる従軍慰安婦について、兵士によるレイプを抑え、「軍の規律を維持するには当時は必要だった」と記者団に語った。 さらに、橋下氏が在日米軍幹部に、風俗業の「活用」を働き…