「おバカ」は卒業 大人のステージへ  スザンヌさん

実は読書家で、読んだ本をしばしばブログで紹介しているスザンヌさん。「おバカタレント」としてブレイクしましたが、気づけば今年で25歳に。9月に発表した写真集にはこれまでにない大人の雰囲気があふれています。大人の階段を上っているスザンヌさんに、おすすめ本や写真集について聞きました。

勉強はしなかったけど…

――本を読むようになったきっかけは?
 小学5年生のときに読書感想文を書いて、学校で金賞をもらったんです。賞をもらうこと自体初めてだったのですごく嬉しくて、「私、本読むの好きかも」って思うようになりました。
 中学・高校のころは流行の本をみんなで回し読みするくらいだったんですが、最近また色々な本を読むようになって幅が広がったんです。

――お仕事のあいまに?
 月に2回は東京以外のところでお仕事があって、その往復で読んだり、ホテルで読んだり、お風呂で読んだりしています。面白い本は大阪に着くまでの2時間半くらいずっと読んじゃいます。好きな作家さんはたくさんいるんですけど、重松清さん、江國香織さん、伊坂幸太郎さん、山本文緒さんの本は、新刊が出たらすぐに買うようにしています。

――おすすめの作品を教えてください。
 重松さんは泣ける作品が多いですよね。ほとんど全部読んでいて、短編集の『ビタミンF』とか『きよしこ』が大好き。『ビタミンF』に、いじめられている子が自分のことを転校生の子の話として両親に話しているんだけど、両親は偶然いじめられているのは自分の子だったということを知ってしまうという話があるんです。それまでいじめに気付かなかったお父さんはすごく悩むんだけど、何もできなくて…。そういう切なくてジーンと来る話が好きなんです。
 江國さんは『神様のボート』がすごく面白かった。お母さんと子どもの物語なんですけど、お母さんがすごく自由な人で、不思議なんだけど魅力的なんです。「こういう人になりたいな」って思う物語でした。
 伊坂さんは『オーデュボンの祈り』と『アヒルと鴨のコインロッカー』です。詳しい内容はちょっと覚えていないんですけど(笑)、とにかく面白くて「読み終わるのがもったいない、もっと読んでいたい」と思った本でした。
 あと、『告白』は映画化される前から人にすすめていました。すごく衝撃的で読み出したら止まらなくて、一日で読み終わっちゃうくらい面白いよって。



忘れないように 何度も読む愛読書

――小説以外ではどういう本がお好きですか?
 茂木健一郎さんが翻訳している、『「脳にいいこと」だけをやりなさい』は何度も読みました。ポジティブに生きるための具体例がたくさん書いてあるんです。「愛することは許すこと」という話の中で、自分の息子を殺されてしまったお母さんが、息子を殺してしまった子を抱きしめて許すというエピソードがあるんです。簡単なことではないけど、そういう考えを持てるようになりましょうと書いてあって。それから茂木さんの本を読むようになりました。
 ひすいこたろうさんの『名言セラピー』は大好きでかなり持っています。『3秒でハッピーになる名言セラピー』に、「退屈だと思って過ごしていた今日は、昨日亡くなった人がどうしても生きたかった明日」という言葉があって、今まで自分では思いつかなかったことに気づかされることがあったんです。そういうのを読むと、得られるものがあってよかったなって思うし影響されることも多いです。『心にズドン!と響く「運命」の言葉』は、色々な方の名言が集めてあるいい本なので、人にすすめるだけじゃなくてプレゼントしていました。「これでいいのだ」(バカボンのパパ)とか、「重心はいつも前に置いている」(木村拓哉)とか、いわゆる偉人ではない人の言葉も載っているので面白いです。

――ブログには、高橋歩さんの『FREEDOM』を読んだら「元気、勇気が出る」とありました。
 高橋歩さんのフォトエッセイも大好きです。世界中を旅している高橋さんは憧れの人でもあるんです。こういう風になれたらいいなと思うことがいっぱい書いてあるんですよ。でもすぐ忘れてしまうので覚えておくように何回も読みます(笑)。

――「ヘキサゴン」などクイズ番組に出られていましたが、勉強のためにしていたことはありますか?
 勉強していなかったからこんな風になっちゃったんです(笑)。でもヘキサゴンがあったのでニュースを見たりしていました。あと、池上彰さんの番組は好きでよく見ています。仕事で高知に行ったとき、坂本龍馬ゆかりの地を巡ったのでもっと知りたいと思って池上さんの本(『そうだったのか! 日本現代史』)を買ってみたんですが、龍馬には特にフィーチャーされていなくて(笑)。でも歴史全体のことだったので勉強になりました。
 
――スザンヌさんにとっての読書とは?
 「どんな場所にいても自分だけの世界が持てるもの」かな。そういう時間ってなかなか持つことはできないので、本っていいなって思いますね。リリー・フランキーさんの『今日のつぶやき』のようにパラパラめくってくすっと笑えるような面白い本は、ちょっとした時間に、テレビを見ながら、音楽を聴きながら読むこともあります。集中したいなって思うときは小説を読むし、TPOに合わせて読んでいます。


今年は転機の年? 気になる今後

――今年で25歳になるということで、今回出された写真集には大人になったというメッセージも込められているように感じました。
 この写真集は、これまでとは違って自分でも意見を出して作っていったので、思い入れも出来上がりを見た喜びも違いました。色々な人に見てほしいですね。タイトルも「SECOND SEASON」ということで、新しいステージに、ってことじゃないですけど、自分なりに方法を探しながら大人になっていければいいなって思っています。

――今後の仕事はいかがですか?
 今まではバラエティ番組の仕事が多かったんですけど、最近着物をプロデュースさせていただいたりしているので、今後はお洋服をプロデュースしたり、自分のブランドを立ち上げたりしたいなと思っています。自分がどこまでできるかわからないので、色々なことに挑戦していって、自分の幅を広げながら頑張れたらいいなって思っています。

――プライベートでも転機の一年になりそう?
 そうなるかもしれないし、まだ分からないですけど、そうなったらいいなと思いますね。