歩き続ける – 柳原鉄太郎 -

長い人生のうちには、時に避けがたい災難に突然見舞われることがある。



”何も悪いことをしていないのに、どうして…”とか”なぜ自分だけがこんな目に…”等と世を恨み、悲嘆にくれることもあろう。



いつ、誰に、どんな運命が訪れるか、それは誰にもわからない。そんな危うい土台のうえに、お互いの日常は成り立っている。



この世には個人の意志ではどうにもできない、理不尽なことが確かに起こる。



そして、そんな出来事に遭遇してもなお、人は生きていかなければならない。



つらいとき、悲しいときは、思い切り泣けばいい。



涙を流し、悲しみや苦しみを洗い流そう。



だが、そうしてしばし心を慰めてくれる大切な友人も必要だ。



心配してくれる事それ自体がゆとりと考えて必要だ。



こうしてすべてを我が運命と受け止め、今日を、明日を懸命に生きてゆこう。



口には出さないけれど、誰でも日々を必死に生きている。



今はどんなにつらくても、一歩一歩道を歩き続けていけば、時の流れが少しずつ心の痛みを和(やわ)らげてくれるに違いない。



私はそう考えるから、思い描いた未来が自分個人の人生を支えてくれている。